安康演唱會レポート

 2003年9月17日〜20日  香港體育館

  

 康仔にとっては香港シンフォニーとの2度目の共演になる今回、親友安仔との夢の共演でもあります。
 今回もShou_chongさんからレポートをいただきました。ありがとうございます!

 前書きとして正直に告白いたしますと、今回は香港滞在中まったく日記をつけておりませんでした。看板に偽りありです。旅行中の食生活と日記の充実度は反比例するという「食生活と日記の法則」(by shou_chong)どおり、しかるべき質、量の食事を規則正しく摂取しておりましたら、日記をつける時間をすっかり侵食されてしまいました。他の時間は、スーパーマーケット通い、CD屋巡り、元朗詣、中環坂道散歩、不案内道路誤認、不良高校生観察、不良携帯電話に悪態、などに最大限費やされたため、後は睡眠時間を削る以外方法がなく、しかしながらそのような方法をとるには毎晩襲いくる睡魔は強力絶大であったため、何の躊躇もなく日記をつけるのをあきらめた次第です。」とのことですが、やはり直に見てこられた方の視点が感じられるのはレポートならこそだと思う私です。
 ちょうどDVDも発売されましたし、ビジュアルと合わせて読んでいただいてもより臨場感が感じられるのではないかと思います。
どうぞごらんください。

     ◎Shou_chongの笊日記 Part2   ◎Shou_chongの笊日記 Part3  はこちらから。


  ◎Shou_chongの笊日記 Part1

  

○ セット

 普段のコンサートでは意味不明のセット、大道具、小道具でみんなを楽しませて?くれている安仔(ときに康仔も)。しかし、今回はオーケストラとの共演なのですから、「まさか妙なセットはなしでしょう」とコンサート直前まで思っておりました。
 が、それが素人のあさはかさ。ステージを見れば、両側には紅葉した木々と街灯。手すりや指揮台の回りにも紅葉した葉があしらわれ、季節は秋たけなわといったところ。(外はまだ真夏の気候です。)そしてやや上手寄りには小便小僧が一人、例のポーズで立っています。どうやら、秋の夜の公園という設定のようです。しっとりとした雰囲気をかもし出そうとした意図は読み取れました。読み取れましたが、実際にそうなっていたかどうかは別問題です。経済的に仕上げたために、侘しさだけは十分に伝わってきましたが。
康仔の後ろにたたずむ小便小僧 ただ、秋の孤独感ということでいえば、小便小僧君はなかなか健闘しておりました。終始ステージ上の誰からも省みられず、まるで存在していないかのごとく扱われ、あのようないでたちですし、さぞかし孤独だったことでしょう。安仔のコーナーではジョーイ・タンと熱い共演をする場面もあったのですが、その後ろでボーっと立っていなければならない彼は内心いたたまれなかったのではないかと同情いたします。



○ お衣装

 演唱會前の宣伝期間中にHIMやら B International などで二人ともシンプルでスタイリッシュなおしゃれを披露してくれていたので、てっきりこの路線で行くものと期待を込めて思っておりました。おそらく日本人ファンのみなさんの多くが、私と同じような夢を描いていたことでしょう。
 しかし、プロたるものファンの思いどおりに行動していたのでは進歩はありません。期待を裏切るくらいでないと、その存在価値もないのです。当然二人もプロですから、私たちの期待を大きく裏切り、大胆で個性的なデザインの衣装で登場なさいました。みなさん、もうネット等でご存知でしょうからいまさら細かい描写は不要ですね。とにかく、どちらも自己主張の強い衣装でした。これを着こなせるのは、安仔と康仔しかいない、というくらいに。特に康仔の最初の衣装は、ご本人一押しの自信作ではなかったかと思います。あの誇らしげな表情から見てもそうでしょう。客席にさざ波のような笑い声がおこっていたとしても、動じることはありません。TPOだとか、お互いの衣装のテイストに合わせるなどという窮屈な発想は皆無です。自分の信念に従い、着たいものを着るのです。「これは香港の演唱會なんだ。なんか文句あるか?」です。「失礼しましたー! 私たちの見通しが甘うございました」と引き下がるしかありません。

   歌いっぷり

 オーケストラとの共演ということもあって、初日は二人ともけっこう固くなっていたようです。それはお客さんも同様。まあ、初日はリハーサルだから(というのが香港のコンサートの常識らしい)仕方ありません。二日目以降はぐっとリラックスムード。余裕が感じられました。
 安仔は二日目から体調を崩していたため、声そのものは出にくそうでしたが、それでも公開リハーサル?を経験した後の自信からか、気合は十分で、気持ちをこめて熱っぽく歌ってくれました。曲目はおなじみの曲から最近の曲まで、そつのない選曲。最新アルバムからの曲はオーケストラとの相性もバッチリで、この企画は安仔にはあっていたと思います。そして、ときに持ち歌以上にはりきって歌っているのでは?と思わせる、人の曲(今回はレスリーでしたっけ?)も、思い入れたっぷりでよかったです。喉の調子は悪くても、それを補って余りある曲に対する愛情が感じられて感動的でした。

 一方、康仔は全日体調もよく(たぶん)、喉の調子も無問題のようす。力がこもるとフレーズの最後を「エーーイッ!」とのばす癖(例えばフレーズの最後の歌詞が[女尓]なら、「ネーイ、エーーイッ!」のように歌う)も随所で聞かれ、絶好調ぶりをアピールしておりました。ただ、安仔と違って、持ち歌の選曲はおなじみのものが多く、最近のものが聞けなかったのは少々残念でした。


     パート2−名迷場面集編−へつづく