宴は続く

  続いてはHO太さんのレポートです。HO太さんは以前のソロコンサートで生康仔を経験済み。3年ぶりのコンサートにうれしさをかくせないながらもお姉さん的(!?)見方で康仔の様子、コンサートの様子をレポしてくださいました。
 (こちらのステージ写真撮影にも一部の除いて美如さんのをUPさせていただきました。)


蘇永康定情歌演唱會 レポート

 春先から、個唱(ソロコンサート)の噂でもちきりだった蘇永康ファンに、ついに待望の日がやってきました。99年3月以来、3年ぶりのコンサートが開かれることになったのです。

 日程は5月21日(火)・22日(水)の2場。週の真ん中で、「休みが取れない!香港に行けない!」というファンが多数。追加が出ることをぎりぎりまで待ち望んだのでしたが・・・。

 ともあれ、チケットはゲットせねばなりません。発売日情報を得て、はりきって通利に並ぶこと数分(他の大物歌手と発売日が重なっていなかったようで、長蛇の列ではなかった)、21日は1列目、22日は2列目をゲット!前にスポンサー席があるので、1列目=一番前ではありませんが、かなり良い席!これなら康仔の姿が豆粒大に見えるということはないでしょう。よしよし(^^)

 1日1日と近づいてくるその日を前に、プレゼントは何にしようか、横断幕を作ろうか、などなど、あれこれ思い悩みつつ、宣伝のためにしばしば登場する記事や映像を楽しんでおりました。どの曲を歌ってくれるのか、オープニングはどの曲か、ゲストは誰か、、、予想するだけでもドキドキ。

 そしていよいよ当日。日本からいらしたファンの方たちと、入り口で待ち合わせてチケットを無事お渡しし(それまでは命の次に大事なものでした)、そろって中へ。初めての四面ステージに、わくわくします。

 8時30分、ようやく(予定通り)、場内が暗くなり、アナウンスが始まりました。たいていは女性の声なのに珍しく男性の声だな〜と思ってたら、、、張衛健(ディッキー・チョン)なの?!よくわからないけど、「トイレに行っちゃいけない」とか言った? なんだか、周りの香港人は大笑い。聞き取れなくって口惜しい〜。(後で新聞記事等で確認したら、「言うとおりにしないと陳奕迅(イーソン・チャン)みたいになっちゃうぞ〜(大事なところを痛くするぞ〜)」と言ったのだそうです)

 そしてスクリーンに浮かび上がった映像は、CDジャケと99年のコンサートで有名になった、康仔が赤ちゃんの頃の写真(はだかんぼ)。CG合成で踊っております^^; さあ、康仔はどこから出てくるのかしら???

 サンタナのギターにのって、ライトに照らされたのは、天井から吊るされた白いスポーツカー!気血のりシャツ持ちよさそうに乗ってる康仔、ワォ!そして歌い始めたのは「眉來眼去」。車がゆっくりと空中で場内を一周します。衣装は白いスーツ、中に着てるTシャツの胸に血の染み模様(撃たれたみたい?!)。「衆望回帰」を歌った後、着地した車から颯爽と降り立つと、上着を脱いで「没有季節的火花」。う〜ん、カッコいい!

 3曲が終わったところで、「もっと快歌(アップテンポの曲)が聴きたいかーっ?」「聴きたーい!」「ほんとに聴きたいかーっ?」「ほんとにーっ!」「もうないよ〜」爆笑。「今の3曲が、一番アップテンポなんだもんね〜」そして「これが3回目のコンサートだけど、最初で最後のコンサートのつもりで楽しんでね」(と言ったらしい)と、バラードに入ります。まずは「從來未發生」、地声とファルセットの使い分けも完璧(^^)。そして「其實我很擔心」。歌っている間に、舞台上には大きな大きな熊のぬいぐるみが登場、曲の最後に熊さんに抱っこされて舞台下に退場していきました。

 問題のくまさんと(笑)そこでスクリーンにさっきの熊が登場。楽屋に入って行きます。お着替え中らしきシルエットをよそに、熊はそのへんで何故かお宝を発見して(ジュエリーだの、ブランド服だの、腕時計だの)ニヤニヤ(突然悪人顔になる)。しまいに現金がいっぱい入ったアタッシュケースを見つけて狂喜乱舞しているところを見つかって、お縄頂戴となったところで、、、

 康仔が舞台に登場します。今度は黒いスーツ。決めてる〜。「讓我暖一些」を歌った後、前のほうの席の観客に話しかけます。「これ、どう?いいと思う?気に入った?じゃ取れば?」襟のところにつけたアクセサリーを観客にプレゼント!きゃあ〜〜〜! つまり、スポンサーからのプレゼントだったわけですね。ということはまだあるのかしら? ありました。「我女人」の後は着ている上着(のポケットに入っているカラオケ券)。「我發誓以後」でみんなと握手した後は、腕時計。もう、康仔の太っ腹!(いえ、スポンサーの、、、) 「假使有日能忘記」を歌ってまた消えていきました。

 さて次は?ムードたっぷりの音楽とともに現れたのは、セクシーな黒い衣装のフローラ姐こと陳慧珊。プロのダンサー顔負けの見事なダンスを見せてくれます。音楽がアップテンポに変わると・・・再び黒いスーツ、今度は光物をちりばめて康仔登場。曲は「我要」。台湾の妹分こと周惠がカバーしたバージョンを、フローラが歌いながら、二人のセクシーなダンスが展開します。わぉ!やるじゃん!

 ダンスの後は少々息が上がった(?)二人。「もう、あんたったら、ここのところでこーんなことして〜」とダンスのことで康仔に文句を言って笑いを取るフローラ姐。ドラマでの共演が多く、息がぴったりの二人は、手をつないで「意猶未盡」をデュエットしました。

 得意のジャズはやらないのかな?と思っていたら、渋いスローなジャズのイントロが始まりました。どの曲?なんと、「失眠」です。こんなアレンジで聴くこの曲も、またいいですね。

 そこへ電子ピアノの前にすわった四男エドモンドこと梁漢文が登場。康仔もそばに腰を下ろして、エドモンのピアノをバックに、じっくりと語り始めます。。。なんだか、MとFがどうとか、、、男と女はどうこう、という話のようですが、MMF・MFF・MMMMF・・・なんでそんなに増えるの???とわけわからない私たちをよそに、地元観客は受けてます。スクリーンに何やら漢詩が出てますが、なんか変?有名な詩をもじったものらしいけど、元がわからないぞ〜(写真撮ればよかった)。大うけの後、歌い始めた曲は「情非得已」。康仔の「幸福離我們很近」と競作になった、ハーレム・ユーの曲です。(今、香港で大流行の台湾ドラマ「流星花園」の主題歌です。日本の漫画「花より男子」が原作で、このドラマのために選ばれた4人がF4というアイドルになって香港でも凄い人気です。さっきのMMMMFは、その話だったらしい)続いて「燈火欄柵處」を歌った後、再び語り始める康仔。今度は何か、女性との体験談のようですが、う〜ん、聞き取れない・・・(聞き取れないところに限って観客に受けている!)エドモンがさりげなく一言はさんだりするのが絶妙のタイミングです。今度は彼が自分の曲「纏綿遊戯」を歌いました。いい曲ですね〜。今度は話が「パオ」とか「ポウ」とか言ってたと思ったら、TVでおなじみの(でもCDでは聴けない幻の)あの曲が!そう、マク○ナル○のCM曲です。「秒秒鐘歡聚歡笑」が決まったところで、二人は舞台下に消えていきました。

 消えたら期待するのはもちろんビデオです。流れる曲は「有人喜歡藍」。今回も、お友達が歌ってくれるバージョンで、最初に登場したのは、、、きゃーっ、ジャッキー(張學友)!ラーメン作ってます。黄子華は車のトランクにカンペをはりつけてます。李克勤はハンバーガー頬張りながら、陳小春は自分のアルバムのポスターを指差しながら。Twinsの二人は、素顔のメガネでにっこり。ケリーは戸棚から何か取り出して忙しそう。将志光(「壹號皇庭」に出てた人です)は、歌詞のとおりに空を切り取る真似。イーソンは顔くしゃくしゃで、ニコラスは水槽に手を入れて亀にさわり、安仔はバナナぱくついて、、、そのバナナを持ったまま出てきちゃった!

 放り投げた皮がスタッフに当たったので、あとでゴメンナサイしてました。仲良しの二人は安仔の大ヒット曲「昨遅人」を歌いました。

 つぎはアカペラ。「この前のコンサートでは海外から呼んだけど、今回は香港のミュージシャンとやります。だって香港にも素晴らしいコーラスがいるから」と紹介。なんと、今回はコーラスだけで8人(男性5人、女性3人)が参加していました。その中には、パトリック・アルバートの雷兄弟(元・太極のボーカル)もいます。曲は「夜來香」と「愛極甜」でした。

 ここで、ミュージシャンのメンバーをわかった限りでご紹介しておきましょう。今回はコンラッド・ウォン(黄尚偉)が舞台には参加していませんでした。ドラムにアンソニー・フェルナンデス、サックスにWink、ギターおよび音楽監督に、有名な方を招聘したらしいのですが、名前がよくわかりませんでした。あとでCDが出たら確認します。パーカッションは小柄な女性が担当してました。舞台をとりかこむようにミュージシャンは陣取っていました。

問題のビデオ(笑)

 次は、コンサート前の記事でも紹介されていた、長男ディッキーこと張衛健制作のビデオがいよいよ上映です。プールサイドの康仔、なんか解放的な楽しそうな顔!美女の登場にニタッとしちゃうところ、地が出てる?泳ぐシーンの水泳王子・方力申、いかにも合成の笑顔がおかしい!美女の要求に「こんなことしちゃっていいのかな〜」とかなんとか言いながら、ローションを塗るところは嬉しそう!最後は、周星馳のビールのCMと同じオチで、仮面をべりっとはがすと、ぎょえっ!の素顔が、、、というところで、舞台上には仮面をつけたゲストが。

 イーソンでした。曲は「黒夜不再来」。コアラのように康仔に抱きつくイーソン、いつもながら子どもみたいです。でも可愛い(^^)

 ひとりになると、台湾での仕事の話をする康仔。初めて台湾に進出した頃は、何かと苦労があった、、、というような話をしていました。「トイレに行ってもいいけど、4分間、北京語の歌を聴いてね」と歌い始めた「悲傷止歩」。本当に、美しい曲です。康仔の声が、このまま時間が止まってほしい、という気持ちにさせます。

 そして、康仔得意のバラードが続きます。「越吻越傷心」「男人不該讓女人流涙」では、観客席のあちこちに二人世界状態が発生。「不想獨自快樂」・・・康仔ってこんなにいい声だったのね・・・夢の時間が過ぎてゆく・・・ついに、手を振りながら退場。えーっ!もう?

 アンコールの要求に、カジュアルなプルオーバーに着替えた康仔が再登場、「ほんとにアンコールするの?」とかなんとか言ってます。普通は準備するでしょうが、、、「獨立宣言」を歌ってくれました。え?1曲?だけ?

でも場内電気がついてしまいました。名残惜しみつつ、会場をあとにしたのでした。

 2日目、基本的には1日目と同じ進行です。同じことを言うのがわかってるんだから、少しはMC聞き取れるかな〜と思うんですが、だめですね〜。口惜しいなぁ。

 ゲストは、「有人喜歡藍」のあとにニコラス。バナナの食べ方がエッチだったぞ〜。「賄賂で違反をもみ消し?事件」のあとだったので、ブーイングがあるかと思ったのですが、むしろ暖かい拍手で迎えられました。「おまえ、もう少し、、、いい子にしなよ」と康仔に言われて、恐縮するニコラス。「俺の友達はみんないいやつなんだからさー」「うん、わかった」二人で「玉蝴蝶」を歌いました。彼をゲストに呼ぶ康仔は、ニコラスの音楽に対する情熱、才能を高く評価し、音楽人としての敬意を持っているんだと感じました。(イーソンに対してもそうですが、年下でも相手に対する敬意を忘れない康仔ですね)

 ディッキー制作ビデオの後のゲストは、李克勤。後で知ったんですが、彼と康仔は新秀歌唱比賽で同期だったんですね。見事なハーモニーで「深深深」を聴かせてくれました。

 バラードシリーズは「悲傷止歩」「越吻越傷心」のあと、「情來自有方」。「不想獨自快樂」で退場したあと、今夜は期待してアンコールを叫びます。出てきたのは、、、梅艶芳!彼女のデュエットアルバムに、「声と歌が良い」とご指名された康仔でしたね。梅姐の「縁?」を歌ってくれました。

 そして、今夜はソロで、「昨遅人」をじっくりと、しっかりと自分のものにして歌いこなした康仔。「男人不該讓女人流涙」を歌い上げて、満足そうに退場していく康仔。もう出てきてくれないのかしら?ミュージシャンたちは楽しそうにノリノリで演奏して、余韻たっぷりにエンドして引き上げていきました。。。

 夢の時間が終わりました。

 チケット取得代行会社のアレンジで、ファンとの時間を作ってくれた康仔。一列に並んで順番を待つドキドキ。ひとりひとりに、丁寧に挨拶し、サインをし、写真を撮ってくれました。最後に集合写真を撮って、にこやかに去っていきました。(2ショット写真を撮るとき、Vサインした手が震えちゃって・・・恥ずかしかったHO太でした)

 外へ出てみると、出待ちしている地元ファンがいました。彼らにも、サインしたり写真を撮ったり、ちっとも嫌がらずにしている康仔。。。ファンの喜びを自分の喜びとしている、藝人魂を見る思いでした

 興奮冷めないまま、カラオケ店に繰り出した私たち5人は、誰も歌わないまま画像を見ながら、あれこれしゃべっていたのですが(20ポンドもダイエットしたって言ってたけど、普段たくさん食べちゃうから減量で苦労するのよ〜、とか)・・・。けれど、一人の発言から、熱く語る座談会が始まったのです。

美如「今回は、ゲストをよんで、ヒット曲をあれこれ歌って、オープニングも高いところで一周するのは華仔やなんかと同じだし、、、何を評価したらいいかわからない」

美寶「来られなかった人たちがそれを聞いたら、『つまらなかったの?』と思うかも。今回は3年ぶりだし、『みんな元気?帰ってきたよ!』っていうのをやりたかったんじゃない?」

HO太「新譜を聴いて、『形から入るのやめたんだ』と思った。以前は、この曲はR&Bだよ、これはジャズだよ、とはっきりした曲を入れてたけど、『康定情歌』は曲の中に要素を取り入れてた。ジャズとか、通向けのコンサートばかりじゃなくて、みんなが楽しめるコンサートができるってところを見せたかったのかも」

きゃあ「私は今回、生を初めて聴いたけど、ヒット曲がたくさんあって、楽しかった。その点ではよかったと思う」

shou_chong「康仔の好きなように、好きなスタイルのコンサートをやらせてあげたいけど、香港ではそれは難しいのかな。観客がついてこない」

HO太「家族で楽しむ、エンターテインメントだもんね〜」(張學友あたりのコンサートだと、一家三代で来る家庭も珍しくないのです^^;)

美寶「これぞ香港!ってコンサートもやってみたかったんだよ、きっと」

美如「私が『今度は何をやってくれるかしら?』って期待が大きすぎたのかな。ゲストとの共演はよかったし、コンサートとしては良かったのかも」

shou_chong「日本のほうが、康仔の音楽の魅力を理解する人が多いと思うんだけど、、、」

 香港で、歌手としてやっていくことの難しさ。小さな市場、かなり保守的な聴衆。その中で、自分の音楽を追求し、より良い音楽を作っていこうと努力を続ける蘇永康。私たちはそんな康仔を応援し続けていきたいと、強く思ったのでした。


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