さぁ本番

"SO NICE"にいつもお越しくださっているshou_chongさんが今回始めて康仔コンサートを体験され、また間近で会えた経験をレポートにまとめてくださいました。その名も”殴り書き笊日記”。でもでもざるなんかじゃないですよ!臨場感たっぷりのレポートをお楽しみください!(ステージの写真のほとんどは美如さんが撮影されたものです)


shou_chongの殴り書き笊日記

普段日記をつける習慣のないずぼらな私。でも海外旅行に出かけた時だけは別。旅費のもとをとろうとせこい根性でその日のできごとを書き付けております。今回もホテルのベッドで康仔コンサートの思い出などを認めてまいりました。と言うとかっこよく聞えますが、もともと人に見せるつもりもなく、睡魔や空腹と闘いつつ(活動できる時間帯は極力CD、生写真漁りに当てたので、勢い犠牲になるのは睡眠時間と食事時間です)大雑把に殴り書きした代物。穴だらけの笊日記です。水も漏らさぬ緻密なレポは他の方にあっさり譲って、私めはユルーイ軟弱部門を主に担当いたします。(それしかできない、との説もあり。)

康仔コンサート(基本的な構成は両日同じなのでまとめて書きました。)

 会場に入り席に着こうとすると、各座席に手作り応援goods発見。直径10.5センチの丸い紙の表にSoと切り抜いたシール、裏にはもち手用の竹ひご、ファンサイトのアドレスが印刷された紙が貼り付けてある小型団扇(?)。前から10列目くらいまで置いてあったとか。Soの文字もライトが当たるとラメのようにキラキラ光る加工をしたシールでした。みなさんきっと寸暇を惜しんでせっせと製作に励んでいたんですね。ファンの涙ぐましい努力です。(ホロリ)

応援グッズ 裏はこうなってます

 まず、オープニングの前に場内のスクリーンにメガネをかけた赤ちゃんの映像が映し出されます。音楽に合わせて踊る踊る。しかし、モノクロ写真をもとに細工をしたものですから、「アリー・マイ・ラヴ」に登場する赤ちゃんみたいに滑らかな動きはいたしません。関節部分を鋏でちょん切ってからつなぎ合わせ、操り人形のように動かしているとご想像ください。腕の関節切れててちょとコワイ。顔から肩、上半身から下半身へと映し出される部分が徐々に下に移っていきます。当然、笑いをさそう箇所もございます。それに合わせてスポンサーやスタッフ紹介らしき文字も踊るように流れていきます。なお、HO太さんはこの映像を写真に収める際に問題の箇所は避けておられました。まことに慎み深い麗しい態度でございます。私はカメラは持参しておりませんでしたが、もし持っていたらどうしたでしょう? この際だから、と恥ずかしい行為に及んでいたかどうか、こればかりはその場になってみないとわかりません。

 この映像の後でしたでしょうか。長男ディッキーのアナウンスが会場を盛り上げてくれました。「レイディース&ジェントルマン」と低音を響かせ気取った発音の英語で始まったので、「お、マンハッタン・トランスファーのコンサートのオープニングみたい」なんて驚いていたら、あっという間にいつもの長男らしい広東語に。場内大爆笑。異邦人訳わからず胸の内でくやし涙。

スポーツカーで登場 そして康仔がオープンカーに乗って登場。その車がワイヤーで吊り上げられ、遊園地のカートのようにくるくる回る。場所によっては下に下りたりします。車の色に合わせた白っぽいレーサーのような衣装。ここまでスポーティーな衣装を着た康仔を見るのは初めてで、とても新鮮な印象を受けました。文句なしにカッコイイ!!! ご本人もニコニコとすごく楽しそう。美寶さん曰く。「満・足・気と顔に書いてあった」

 途中、衣装替えも多かったですが、デザインは(香港コンサートにしては)シンプルなものが主流。どれも似合ってました。

フローラと熱いダンス

 さて、フローラ姐さんと絡む空前絶後(?)のダンスの出来はいかに? 身体の柔軟性と運動神経ではおそらく安仔にひけをとっている康仔のこと。今までダンスらしいダンスは披露したことはなかったのではないでしょうか。それでも、安仔がコンサートでセクシーダンスを軽々とこなすのを横目で見ながら「いつかは僕だって・・・」と密かに闘志を燃やしていたのかもしれません。今回のダンス、康仔らしいおしゃれな振り付けで私はとっても楽しめました。まあ、部分的には「ああ、ぎっくり腰にならなければよいが」と心配になる場面もないではありませんでしたが、康仔にしたら相当がんばったと思いますよ。フローラ姐さんににじり寄られ、匍匐前進ならぬ仰向け後退するシーンもなかなかセクシーでした。個人的には両手をピストルのような形に組んで、お互いを撃ち合う場面が好きですね。康仔自身も楽しんでダンスをしているように見えました。

エドモンと共演

 今回はエドモンドがピアニストとして大活躍しました。エドのピアノ、康仔の語りを両方楽しという趣向です。途中、なにやらオチのついた詩が披露され、場内の画面にも映し出されたりしました。中華系の人なら誰でも知っている有名な詩を捩ったものなのでしょうか。香港人観客爆笑ですが、またも訳のわからない異邦人は胸の中で涙するのでした。そして、マクドナルドのCMソングなどが披露されてました。この曲好きな人多いみたいですね。

 康仔が歌う「有人喜歡藍」に合わせて、お友達が口パクで登場するモノクロフィルムが傑作。本当に口パクの人もいたでしょうが、思いきり歌っていた人もいらしたでしょう。しょっぱなの歌神學友もその一人。ラーメン作りながら楽しげに歌ってました。流しでおかたづけのシーンも映ってました。随分手馴れた様子でしたよ。コンサートに使うから特別にラーメンを作ってもらったというより、ある日のお食事風景をついでに撮らせてもらった、という感じです。黄子華は純粋口パクぽかった。でなくても、音ははずれていたかも。陳小春は自分のアルバムポスターを何度も指差し、盛んに宣伝してました。とりあえず「有人・・・」の歌詞を口ずさんでいたようですが、全身で「ニューアルバム買ってくれー!」とアピールしてました。(で、仰せの通りに買ってきました。なかなかよい出来です。)李克勤はハンバーガーだかサンドイッチだかほおばってました。でも、品があってさわやかさんです。ニコラスの映像が出てきた時、会場がざわめきました。Twinsはメガネかけて仲良く歌ってました。ケリーは棚から何か取り出していたのではなかったかな。うーん、よく思い出せない。イーソンは顔くしゃくしゃ、ノリノリ(死語?)で歌ってました。

安仔がなかなか出ないなあと思っていたら、最後にバナナを食べながら登場。(21日)安仔だけ生映像でした。バナナを猛烈な勢いで食べ、食べかけのままステージにあがり、そのバナナを振り回したものだから(と記憶しているが定かではない)、実がステージの端に飛んだり自分が着ているTシャツに飛び散ってました。皮は康仔に投げてよこしてました。康仔に「実があんなとこまで飛んでるよ」とか、「Tシャツにもいっぱいついてるよ」みたいなことを言われ(と想像する我)、何度も取ってもらってました。その度に場内爆笑。この二人、ほんとに同い年なんでしょうか? 安仔、まるで小学生男子です。それでも歌はきっちり聴かせてくれました。二人でいるとほんとに嬉しそうです。お互いが心から信頼しあっているのが伝わってきて、ちょっと胸が熱くなったりいたします。

ニコと共演そして22日は同じ演出でニコが登場。映像ではざわめいていたお客さんも本人を前にしたら大歓声で歓迎してました。同じバナナを持ってもやはりニコは小学生男子とはやることが違う。バナナを微妙な位置にお持ちになって腰を前後にお振りになってました。とってもアダルトでございます。さすがお姉さまキラーでございます。そしてこのとき、康仔はニコに「もう少しいい子になろうね」と優しく諭したのでした。(と、新聞に出ていました、と後から聞きました。)

長男作のビデオも爆笑モノ。筋肉ムキムキの康仔。(実はボディビルダーの首から下を写しただけ。)水泳の名手康仔。(実は水泳王子。バタフライしながら顔を横に向けて力いっぱいアイドルスマイル。ここでお客さん大爆笑。)誰が見ても吹替えだとわかるところが気持ちいいです。だって、海パンからして、ムキムキマンは黄色のビキニタイプ、安仔は紺のトランクスタイプだもの。ストーリーはなんだかんだと言い寄っていた上海美人が最後にオカマさんに変わるというオチなんですが、HO太さんから伺ったとこによると周星馳が出演するCMに似たようなものがあるそうです。美寶さんによると康仔のしゃべり方も星馳ぽかったそうです。でも似せきれてなかったらしい。康仔、演技じゃなくてマジで美人と共演できて嬉しそうでした。彼女にローションを塗る手つきがいやらしい、と美寶さんはご指摘です。

こんな風に踊ってた(?)21日最後のゲストはイーソン。映画「スクリーム」の顔のマスクを着けて登場。でも曲のイントロで、もしやと思っていたし、なんと言ってもあの体形でバレバレ。歌はやっぱり抜群にうまい!!!最後に去年の安仔コンサートでもやっていたみたいに康仔に抱きついてました。天真爛漫。こっちまでニコニコしちゃいます。イーソン、フローラ姐さんとのダンスのことで康仔につっこんでました。水泳のバタフライみたな格好をして「こんな風に踊ってたよねえ」なんてこと言ってからかってました。とにかくイーソン、終始ハイテンション、ご機嫌で、顔真っ赤にして大笑いしてました。

安仔もイーソンもスタッフ用のコンサートTシャツにジーンズ姿でした。でもTシャツは安仔の方がワンサイズ小さいのでは、というのが美寶さんの考察。ぴったり着るのが好みのようだから、という訳です。イーソンはジーンズ腰ではいてました。決して長いとは言えない脚がますます・・・以下略。でもかわいいです。

22日は李克勤がイーソンと同じくマスクを着けて登場しました。ただしこちらはシンプルでノーブルな感じの白いマスク。スリムで上品な彼に似合ってます。衣装もシンプルで脚の長さが際立ってます。(前日イーソンだっただけに。)しかし、スケスケ素材のシャツでサービスを忘れないところが香港明星ですねえ。広東語がまるでわからない私にも、誠実でまじめそうなお人柄がお話しぶりからよーく伝わってきました。ちゃんと冗談言ってみんな(私を除く)を笑わせてましたし。最後楽屋にひっこむとき出入り口を間違えて、康仔に「こっちだよー」と指摘されていたのはご愛嬌。

今回の康仔は握手タイムもサービス満点。肩を抱いたりしてファンと接触はかってました。(21日は特に。22日はちょっと控え目)両日とも身につけていたジャケット、カラー、時計などをプレゼントしてました。

ファスナーの位置に注目。

ダンスやリズムをとるときの康仔、腰の動きがあやしげで、美寶さんは「むっつりスケベ」と評してました。21日、黒のジャンプスーツで登場なさったときファスナーをかなり危ない位置までおろしておいででした。が、後でさりげなく少し上にもどしていらっしゃいました。(ウフフ)とにかく生で見る康仔はとてもセクシー!!!それでいて、そこはとなく優しさが伝わってきていい感じです。

観客の中に一際大きな蛍光棒を持ったファンの一団がいました。中でも「So」という巨大な電飾を持った人がいてその熱のいれように感心しました。しかも途中で「康」の字に変わってました。YUKAさんによると電源は小型のバッテリーだそうです。そんなものを作っちゃう香港ファンもすごいが、それが会場に持ち込めてしまうという状況もすごい。日本では考えられません。

ムイ姐さんとアンコールは21日はたったの一曲でちょっと物足りなかったのですが、22日は十分歌ってくれてゲストもエディ、ムイ姐さんの二人分増えたこともあって、終了時間も延び楽日らしい満足感を味わうことができました。

22日はコンサート終了後モ○○ビさんの「会いに行こう」があり日本のファンと交流。その後も出待ちをしていたファンの一人一人とツーショット写真に応じていました。疲れの色も見せず、毎回同じ笑顔で写真におさまる康仔。香港明星は優しくてタフでないとやっていけませんね。

以上、二日間に渡って十分堪能したshou_chongでした。

オマケ=電話対談

24日、HO太さんからホテルに電話が入る。用件はすぐすんだのですが、コンサートの興奮冷めやらぬ私たちは「カラオケBox深夜座談会」に引き続きまたも康仔について熱く語ってしまったのでした。以下はその内容を会話形式で再現したものです。当然後から思い出しつつ書いたものですので、正確な再現とはなっておりませんことをあらかじめご了解ください。なおSは私、HHO太さんを表しています。

S「康仔に直に会って、私は最初この人の声に惹かれたのだと改めて思い出しました。歌ももちろんいいけれど、声が魅力的なんだと」

H「エドモンドがピアノを弾いているときの語りを聴いて、康仔は歌手をやめても語りで食べていけると思いました」

S「學友は万人向き。演歌好きのおじさんも、ロック野郎の兄ちゃんも聴く。クラシック趣味のちょっとおハイソな御仁も學友なら許す、という感じ。でも康仔はターゲットが限られている。康仔の音楽に惹かれる人しか聴かない。

  私、學友は力技でやられたんです。声に惹かれたわけじゃない。歌の力は圧倒的だから。でも音楽的な面では康仔なんです。安仔も康仔とはタイプは違うけど音楽的に惹かれているんです」

H「安仔は曲の持つ魅力を正確、忠実に出せる歌手。だからいい曲に恵まれる。

  イーソンはクラシックの素養があることが大きな強み」

S「『フィガロの結婚』のアリアを聴いたとき、ひっくり返りました。イーソンすごい!!!これは學友も歌えないと思う。近くに學友ファンがいないから言うけど、その点では學友よりすごいと思う。(學友ファンの方々、石投げないでね。私もファンの一人ですからね。)こんなすごい歌手がいる香港なのに、香港人がそのことに気づいていないのがもどかしい」

 H「康仔はその香港人をじわじわ変えていくのではないかしら。何か大きなことをして変えるのではなく、じわじわと」

S「香港の人が知らぬ間に、気がついたら進歩していた、というね。少しずつ浸透するのね」

H「『康定情歌』の売れ行きがいいのもその表れだと思います。ジャズとかRBとかはっきり音楽ジャンルを打ち出さず、ポップスの中に溶け込ますやり方で行き渡っていくのではないかな」

S「そのことは本人も十分わかっているでしょうね。

 イーソンも康仔と同じように好きな音楽を追求するタイプ」

H「康仔は今回のコンサートで対象を広げようとしていた。家族で楽しめるように。でもイーソンは康仔のように幅を広げようとは思っていないでしょう。むしろ若い人に目を向けて、引っ張っていこうとしているのじゃないかしら」

S「イーソンはこれまでの古い音楽はもういいよ、と思ってますね。若い人を引っ張るだけのエネルギーありますよね。

  康仔に康仔の良さを正しく理解しているファンがいることを伝えたい。本人がそれを知って床に頭をこすりつけるほど感謝してくれなくてもいいから、そういうファンがいることを知ってもらいたい」

H「彼の真の良さがわかる日本で紹介してもらえたら・・・それには英語版か日本語版のアルバムを出してもらわないと」

S「もし、ブルーノートでライブをやってくれたら最高ですね」

H「それはすごいプレミアチケットになりますね」

S「康仔でブルーノートなら私高くても絶対に買います。アー○ンに会えても2万5千円は払う気ないけど、康仔なら本人に直に会えなくても払います!」

H「そうそう」

などといったことをあれこれ延々とおしゃべりしてました。

以下、shou_chongの独断的考察

今回のコンサートはより広い層にアピールすることを意識していたのでしょう。康仔にしては珍しく香港スタンダード色の濃い構成でした。しかし、康仔は観客に媚びていたわけでもなければ、その広い層全てをファンに取り込もうという野心を抱いていたわけでもないと思います。もっと広い視野からコンサートをとらえていたのではないか。彼の真の狙いは、今までより親しみやすい形で曲を提供することで、観客、というか香港の人たちの音楽を聴く耳を育てることにあったのではないかと思うのです。自分の曲を聴いた人が直にファンになってくれなくてもいい。少なくとも、こんな音楽もあるんだ、こんな音楽の楽しみ方もあるんだ、と少しだけ意識を変えてくれたらいい、と考えていたのではないかしら。そういう人が増えれば香港の音楽界ももっと豊かなものになるはずですから。自分の音楽を理解できる人だけが聴いてくれればいい、という考え方もあります。日本ならそれも成立するでしょう。でも香港でそれを押し通してしまうと先細りしてしまうのかもしれません。(香港の音楽事情に詳しくないので想像の域を出ませんが。)それになんといっても彼もサービス精神旺盛な香港明星の一人ですから、「俺の音楽がわからない奴はついてこなくてもいい」と言わんばかりの、どこかの国の勘違いなんちゃってカリスマアーチストのようなやり方はできないのでしょう。(ここで具体名を挙げるのは避けます。各自勝手にご想像ください。おそらくみなさんの予想は当たっています。)

とにかく康仔はファンの私たちが想像する以上に先を見て行動しているのだなあ、と深く感じた次第です。当然と言えば当然ですね。ファンより遅れていたのでは、変化の激しい香港芸能界でやっていかれませんものね。



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